こんにちは。
少し肌寒いですが、尾道ではベッチャー祭りが街を活気付けてくれる、そんな季節になりましたね。当館では先月末から「鈴木恵麻展」を開催しています。
尾道市立大学美術学科、日本画コースの准教授である鈴木恵麻(すずき えま)先生は「第73回春の院展」でその会の最高賞である春季展賞を受賞された経験もある注目の作家です。院展に興味のある方はご覧になったことがあるかもしれませんが、先生の作品を一堂に観られるまたとない企画です。
この機会に是非足を運んで頂けたらと思います。
それでは、展示のお手伝いに参加した私Sが内容をご紹介していきます。
今回はラウンジだけでなく廊下も充実しており、「ミニアチュール」シリーズが並べられています。子供の頃にミニチュアで遊んだときのわくわくを思い出させてくれるような作品です。小さな箱の中で穏やかな水や風が流れ、鳥や植物、人々の生活が息づいているようにさえ感じます。
先生が楽しんで作られたことが見ているだけで伝わってきますが、実際作るのをやめられなくなるほど夢中で制作されたそうです。
この作品の他に10点ほどありますので、画像以外のシリーズも是非ご覧ください。
先生の作品は静かなイメージが強かったのですが、近づいて観ると筆跡が活き活きとしていて驚きました。遠くから観た時と近づいて観たときの印象が違う絵というものは面白いですね。画集やインターネットで見る以上の醍醐味を感じる瞬間でもあります。
絵を描く人間としては大変勉強になります…!
今回は会場全体が薄暗く演出され、より神秘的な雰囲気を纏っています。まるで礼拝堂にいるような気分になりました。
いつもは動かせる壁面を部屋の中央に設置することが多いですが、今回はそれがないので開放感があります。
植物に反射した柔らかい光が空間を包み込んだような、そんな緑色の作品が多い印象です。しかし一口に緑色と言っても幅広い表情を持っていて、こんなに豊かで面白い色だったのかと気付かされました。もしかしたら鈴木先生にしか出せない色味ではないでしょうか。
奥の部屋のカーテンを潜ると絵がたくさん飾られています。でも実は全部で一つの作品なのです。
一つ一つ独立した絵でありながら、絵巻物、またはアニメーションのコマのように繋がり、木に留まった鳥たちが空高く羽ばたいていきます。
そして最後は巣で眠る卵の作品。こちらは、玄関に入ってすぐに見える「Time of birds」の作品へと繋がり、始めに循環します。とても素敵な展示構成だなと思いました。
今回は作品集を販売しております。表紙、裏表紙には金のインクが使用されており、高級感のある仕上がりです。お買い求めやすいお値段ですのでお土産におひとついかがでしょうか。
尾道市立大学の学生には無料でお配りしております。
「鈴木恵麻展」
開館時間 10:00 - 18:00
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