当館では、尾道市立大学美術学科教員の現役作家としての活動に注目し、個展やグループ展を開催しています。今年は2019年度より美術学科必修の彫刻実習を担当し、画廊やデパートでの個展を通じて作品を発表している木彫作家の秋山隆をご紹介します。
秋山氏は丹念な観察に基づき、生き物や人工物などを精緻に表現する木彫作品で知られます。本展覧会では、本学で教鞭をとる以前の作品から新作まで広く展示し、これまでの制作をご覧いただけます。
ロビーでは、近年のシリーズとして、生き物と人工物が混在するモチーフの作品など展示しています。カンナに乗り込んだようなカエルに気分が和みますね。
展示にあたり制作や作品についてお話しを伺う中で、生き物や人工物などそれぞれが取り巻く時間に関心があることを知りました。
経年変化による錆の現れ、犬や猫の時間、人間の時間…モチーフは「自然」と「人工」の対比を想起させますが、生き物の生命力や人工物の経年変化は、それぞれ木材に刻まれることで時間の流れを留めるように観る人の目を惹きつけます。
続いて、第一展示室では可愛らしい動物の木彫が出迎えてくれます。
駆け抜けるような疾走感のある木彫は、その大きさに驚かれる方も多いのですが、弓形の一木から掘り起こされましたことを知るとより驚きが増します。
手にした木材から生み出す形を考えることが多いとのことで、トークイベントでは制作過程についてもお話を伺いたいと思います。
第二展示室からは、人物や本展覧会メインビジュアルでもある手をモチーフとした作品などが並びます。
手をモチーフにした作品は今年から制作しているシリーズです。作家は、体の不調により自身の手を見つめる機会が増えたことをきっかけに、外界との接点として触覚により実感を得られる手に注目しています。手首から腕にかけて錆びて朽ちていくような繊細な造形に、移ろいゆくものの儚さも感じられます。
なんと腕は空洞になっており、みる度に中を覗いてしまいます。どのように彫られているのでしょうか…。
第三展示室では、1998年の作品と近年の作品を同じ空間で展示しています。原始的な力強さが感じられる作品と、錆ついた金属を表した作品。
どちらも木材から生み出されており、作家の精緻な技術や「過去」と「現在」、「自然」と「人工」といった対比が感じられます。
全室を通じて作品のモチーフは、人物像から動物や人工物など多様に展開されています。秋山氏から、自身の木彫の対象が人物へと回帰していく流れを感じていると伺い、「これから」の活動について新たな展開の兆しにも注目したいと思いました。
11月8日(日)には作家によるアーティストトークを開催予定です。
日々の制作活動や作品、木彫の道を志した原点などお話を聞くことができる機会です。
お申し込みは不要ですので、ぜひご鑑賞と合わせてお楽しみください。
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秋山隆-いままでとこれから-
会期 :10月24日(土)〜11月23日(日)
入館料無料
開館時間:10:00〜18:00
休館日 :水・木曜日(祝日開館)
会場 :尾道市立大学美術館
イベント:アーティストトーク 11月8日(日)13時~
会場にて開催します。













