秋山隆ーいままでとこれからー 開催中!

 

早いことに11月を迎え、今年も残り2ヶ月ということに驚いています。皆様いかがお過ごしでしょうか。現在、当館にて『秋山隆ーいままでとこれからー』を開催しています。


当館では、尾道市立大学美術学科教員の現役作家としての活動に注目し、個展やグループ展を開催しています。今年は2019年度より美術学科必修の彫刻実習を担当し、画廊やデパートでの個展を通じて作品を発表している木彫作家の秋山隆をご紹介します。


秋山氏は丹念な観察に基づき、生き物や人工物などを精緻に表現する木彫作品で知られます。本展覧会では、本学で教鞭をとる以前の作品から新作まで広く展示し、これまでの制作をご覧いただけます。


ロビーでは、近年のシリーズとして、生き物と人工物が混在するモチーフの作品など展示しています。カンナに乗り込んだようなカエルに気分が和みますね。






展示にあたり制作や作品についてお話しを伺う中で、生き物や人工物などそれぞれが取り巻く時間に関心があることを知りました。

経年変化による錆の現れ、犬や猫の時間、人間の時間…モチーフは「自然」と「人工」の対比を想起させますが、生き物の生命力や人工物の経年変化は、それぞれ木材に刻まれることで時間の流れを留めるように観る人の目を惹きつけます。



続いて、第一展示室では可愛らしい動物の木彫が出迎えてくれます。



駆け抜けるような疾走感のある木彫は、その大きさに驚かれる方も多いのですが、弓形の一木から掘り起こされましたことを知るとより驚きが増します。

手にした木材から生み出す形を考えることが多いとのことで、トークイベントでは制作過程についてもお話を伺いたいと思います。


第二展示室からは、人物や本展覧会メインビジュアルでもある手をモチーフとした作品などが並びます。


手をモチーフにした作品は今年から制作しているシリーズです。作家は、体の不調により自身の手を見つめる機会が増えたことをきっかけに、外界との接点として触覚により実感を得られる手に注目しています。手首から腕にかけて錆びて朽ちていくような繊細な造形に、移ろいゆくものの儚さも感じられます。

なんと腕は空洞になっており、みる度に中を覗いてしまいます。どのように彫られているのでしょうか…。



第三展示室では、1998年の作品と近年の作品を同じ空間で展示しています。原始的な力強さが感じられる作品と、錆ついた金属を表した作品。

どちらも木材から生み出されており、作家の精緻な技術や「過去」と「現在」、「自然」と「人工」といった対比が感じられます。


全室を通じて作品のモチーフは、人物像から動物や人工物など多様に展開されています。秋山氏から、自身の木彫の対象が人物へと回帰していく流れを感じていると伺い、「これから」の活動について新たな展開の兆しにも注目したいと思いました。

11月8日(日)には作家によるアーティストトークを開催予定です。

日々の制作活動や作品、木彫の道を志した原点などお話を聞くことができる機会です。

お申し込みは不要ですので、ぜひご鑑賞と合わせてお楽しみください。


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秋山隆-いままでとこれから-

会期  :10月24日(土)〜11月23日(日)

     入館料無料

開館時間:10:00〜18:00

休館日 :水・木曜日(祝日開館)

会場  :尾道市立大学美術館


イベント:アーティストトーク 11月8日(日)13時~

     会場にて開催します。


In Focus17ー卒業生の現在ー開催中!

久しぶりの投稿です。「Curriculum −授業作品展−」にお越しくださった皆様、どうもありがとうございました。

「Curriculum」は学生の作品を紹介しましたが、9月4日より開催中の「In Focus 9−卒業生の現在−」は、現在も作家として活躍する卒業生の展覧会になります。

学生さんにとっては、卒業後どのような活動を継続しているのか、ポートフォリオはどのように作られているのか、など参考になる機会となっています。


2010年より回を重ね、17回目を向かえる今回は おおだいらまこ、吉田真子、山本晶大の3名をご紹介します。


おおだいらまこは、「絵画作品と鑑賞者の関係性」を主題に、絵画の在り方を探る様々な試みを展開しています。近年の風景画は、作家の私的な風景画を描きながらも、鑑賞者の心象を喚起し、絵画や記憶がもつ虚実のあわいを浮かび上がらせる表現となっています。




壁を覆う絵画群は迫力があります。

ずらりと並ぶ作品は作家の私的な風景画ですが、どこか親近感もあります。なかには見覚えのある尾道の風景もありますね。

作家は秋田公立美術大学を卒業し、修士課程を尾道で過ごしています。尾道では冬を飛ばしていつの間にか春が来たと思ったとか。

空気の重さがあるような絵画の独特な質感からは、どことなく雪国のエッセンスが感じられます。



吉田真子は、主に動植物をモチーフに描き、「日々の暮らしで出会う記憶の欠片」を題材に制作をしています。日本画画材の層の重なりや削り出しによって作り出される独特な風合いには、移ろいゆくものの情趣や息遣いが感じられます。作品の多くは箔が使用されており、素材の特性を踏まえた表現技法によって画面には落ち着きのある輝きがあります。


小さな生き物の描写からは作家のあたたかい眼差しが感じられます。


吉田さんは会社での経験を活かし、額縁や屏風の木枠も製作しています。作品と合わせて製作された額縁も素敵です。様々な画角が組み合わされた屏風は、面ごとに趣が異なり惹き込まれます。屏風の表裏で対になっているので、見比べながらお楽しみください。



山本晶大は、失われてゆくものや忌避されるものなど、見過ごされた事物や場所との対話から創作を行なっています。

その表現手法は、建築物や映像表現を用いたインスタレーション、絵画や立体作品など多岐に渡り、作家の眼差しはモチーフに刻まれた来歴と響き合い、私たちに「不在の静かな語り」を感じさせます。


第一展示室では、取り壊されて駐車場となった建物の痕跡をモチーフとした平面作品《Lost Landscapes》シリーズや、車に惹かれて死んだ猫などをモチーフとした《The Road Remembers Their Bodies 》シリーズを展示しています。《Lost Landscapes》シリーズは道路の白線などに使用される反射塗料を用いて駐車場の区割りを描いており、晴れた日には窓から差し込む光によって線が浮かび上がります。ご来館の際は、ぜひ様々な角度からご鑑賞ください。(写真では浮かび上がった白線がうまく写りませんでした、ぜひ実際にご覧ください!)



日常の景色は変化していくものですが、よく通う道であってもぽっかりと空いた敷地をみて、前に何が建てられていたのか思い出せないことがあります。皆さんの日常にも建物の痕跡があるのではないでしょうか。


表現方法は三者三様ですが、記憶や移ろいゆくものへの視点に重なりが感じられるのも面白いです。

会期中には、アーティストトークを9月27日(日)13時より開催いたします。出品作家3名が揃い、作品や卒業後の作家活動等、様々な話を聞くことができる貴重な機会です。

様々な分野で活躍する尾道市立大学の卒業生がどのような創作活動を行なっているのか、一堂にご覧いただける展覧会です。

涼しくなってきた一方で各地で天候が心配されますが、どうぞ足元にお気をつけてお越しください。


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Focus17-卒業生の現在-

会期  :9月5日(土)〜10月4日(日)

     入館料無料

開館時間:10:00〜18:00

休館日 :水・木曜日(祝日開館)

会場  :尾道市立大学美術館


●アーティストトーク

9月27日(日)13:00〜

会場にて開催します。


curriculumー授業作品展ー開催中!

 厳しい暑さが続いていますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。今回は、現在開催中の「curriculumー授業作品展ー」をご紹介します。


 当館では、8月11日(火・祝)まで、「curriculumー授業作品展ー」を開催しています。この展覧会では、尾道市立大学の美術学科の授業内で学生が制作した作品を展示しています。本学はデザイン、油画、日本画の3つのコースがあり、全コースの1年生から4年生までの作品をご覧いただけます。



 本学の1年次は、共通の実習と日本画、油画、デザインの3コース全ての課題を体験します。多様な課題に取り組む中で自身の方向性を見定め、1年次の後期からコースを選択し、2年次以降から本格的に各分野の課題に取り組みます。3年次には、地域プレゼンテーションや進級制作展など、制作を発表する機会が増え、4年次には卒業制作に取り組みます。


色々な表現方法を体験できる環境は、本学の魅力の一つですね。

実際、入学後に選択コースを変更したという学生は沢山います。

1年次には、コースの隔たりなく交友関係が広がるので、様々な専攻から制作の刺激を受けることができます。

(余談です、私は日本画専攻でしたが、他コースの学生と本を作るなど、1人ではできない体験が在学時も卒業後もありました!)



 第1展示室ではデザインコースの課題が並んでいます。映像は、実写作品が増えていますね。グループワーク課題やパッケージデザイン、立体表現など幅広くご覧いただけます。





また、本年度よりデザインコースでは新たに着任した教員を迎え、新体制で教育・研究活動に取り組んでいます。
来年度のカリキュラム展ではどの様な課題作品が並ぶのでしょうか。取り組みの変化もご覧いただけるかもしれません!



 第2展示室や第3展示室では、主に総合基礎課題や日本画、油画コースの作品を展示しています。

 油画コースの2年次の植物課題では、様々なアプローチにより植物を捉えています。立体の植物は、熱帯雨林に生えていそうな、不思議なフォルムですね。学生の眼差しを通して、バリエーション豊かな植物をお楽しみください!




絵画作品も力作が並んでいます。



 日本画の作品も沢山ご紹介しています。

日本画画材は扱いが難しく、慣れるまでに時間がかかります。進級するごとに題材の自由な課題が増え、画材の特性や自身の興味と向き合った試みがみられます。




 写真には収まりきらないほど、たくさんの作品を一挙にご紹介しています。大学で学生の皆さんがどんな制作に取り組んでいるのか、ぜひ実際にご覧いただけますと幸いです!


夏の暑さが増していますが、涼しい美術館にてゆったりのんびりと過ごしてみてはいかがでしょうか?

来週末にかけて雨足の予報が出ていますので、どうぞお気をつけてお越しくださいませ。


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curriculum-授業作品展-

会期  :7月4日(土)〜8月11日(火・祝日)

     入館料無料

開館時間:10:00〜18:00

休館日 :水・木曜日(祝日開館)

会場  :尾道市立大学美術館


進級展「ブイ」ただいま開催中!

あっという間に桜が散り5月に入りました。家のカレンダーは月日に置いていかれたままです。
みなさんはGWをいかがお過ごしでしょうか。各地で人の流れがありますが、尾道も観光の賑わいをみせて活気がありますね。


当館では、5月2日(土)〜5月31日(日)まで進級制作展「ブイ」を開催しています。

本企画は、尾道市立大学美術研究科の院2年生が、院1年次の制作を発表する展覧会です。今年は、日本画、油画コースを専攻する学生が作品を発表します。


例年、展覧会タイトルは、出品者である院生の皆さんが考案します。今年のタイトルは「ブイ」。

ブイとは水面に浮かべられる目印や警告のための浮体であり、航行の安全や進行ルートを示す役割を担います。その機能に限らず、海の中で際立つ外面的な特徴にも着目したようです。


今回は出品作品から、いくつかピックアップしてご紹介します。(会期中に第二弾もできればと思いながら…)


まずは庭のインスタレーション作品から。

両脇に花が添えられた白い立体物が、静かな佇まいで出迎えます。

こちらは触ることができ、変化していく形態や心情の過程も含めて作品が成り立ちます。

作品に触れながら想いを巡らし、ゆっくり記憶をたぐりよせる過程は、その場を包み込む心地よさがあります。ステイトメントの言葉選びや、どこか儀式的な作品との関わり方が、自然と内省の時間へ向かわせるのでしょうか。

(※雨の日は作品にカバーを掛けており、触れることができません。ご了承ください。)





続いては、絵画作品をご紹介。この作品は日本画画材により描かれています。

小ぶりの花が咲き乱れたような彩りの画面は、抽象画のようでありながら、見つめていくうちに具象が浮かびあがります。

画面は、幾重にも絵の具が重なり、複雑な色彩や絵肌を生み出しています。明快な形のリズムからは造形の喜びを感じ、絵肌と対象の描き方がぴったりと息を揃えて、生き生きとした画面を作ります。日本画作品は実物を見ると、岩絵具や土絵の具の物質感に惹きつけられます。ぜひ、ご来館の際は画面をじっくりとご覧ください。





絵画作品からもう一点。
3点の連作は互いに共鳴しながら、沈黙に包まれた眼差しでこちらをみつめるようです。筆致の痕跡や具象の動的な形態、描かれる動作が人間臭さを感じさせます。

黒い色面は画面全体を引き締め、横に並ぶ3点のリズムを作ります。漠然とした胸のざわつきがありつつ重すぎない印象を受けるのは、淡い色の取り入れ方や大胆な筆致によるものかもしれません。

左手の作品に描かれた像は腕時計をしているのでしょうか。作家の表現の選択もですが、皆さんがこの作品をどのようにみるのかも気になりますね。





5月10日(日)にはギャラリートークを企画しています。
ぜひ鑑賞と合わせて、こちらもご参加ください!


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尾道市立大学 大学院美術研究科 進級制作展「ブイ」

会期  :5月2日(土)〜5月31日(日)

     入館料無料

開館時間:10:00〜18:00

休館日 :水・木曜日(祝日開館)

会場  :尾道市立大学美術館


イベント: 5月10日(日)

          13:00~14:30