久しぶりの投稿です。「Curriculum −授業作品展−」にお越しくださった皆様、どうもありがとうございました。
「Curriculum」は学生の作品を紹介しましたが、9月4日より開催中の「In Focus 9−卒業生の現在−」は、現在も作家として活躍する卒業生の展覧会になります。
学生さんにとっては、卒業後どのような活動を継続しているのか、ポートフォリオはどのように作られているのか、など参考になる機会となっています。
2010年より回を重ね、17回目を向かえる今回は おおだいらまこ、吉田真子、山本晶大の3名をご紹介します。
おおだいらまこは、「絵画作品と鑑賞者の関係性」を主題に、絵画の在り方を探る様々な試みを展開しています。近年の風景画は、作家の私的な風景画を描きながらも、鑑賞者の心象を喚起し、絵画や記憶がもつ虚実のあわいを浮かび上がらせる表現となっています。
壁を覆う絵画群は迫力があります。
ずらりと並ぶ作品は作家の私的な風景画ですが、どこか親近感もあります。なかには見覚えのある尾道の風景もありますね。
作家は秋田公立美術大学を卒業し、修士課程を尾道で過ごしています。尾道では冬を飛ばしていつの間にか春が来たと思ったとか。
空気の重さがあるような絵画の独特な質感からは、どことなく雪国のエッセンスが感じられます。
吉田真子は、主に動植物をモチーフに描き、「日々の暮らしで出会う記憶の欠片」を題材に制作をしています。日本画画材の層の重なりや削り出しによって作り出される独特な風合いには、移ろいゆくものの情趣や息遣いが感じられます。作品の多くは箔が使用されており、素材の特性を踏まえた表現技法によって画面には落ち着きのある輝きがあります。
小さな生き物の描写からは作家のあたたかい眼差しが感じられます。
吉田さんは会社での経験を活かし、額縁や屏風の木枠も製作しています。作品と合わせて製作された額縁も素敵です。様々な画角が組み合わされた屏風は、面ごとに趣が異なり惹き込まれます。屏風の表裏で対になっているので、見比べながらお楽しみください。
山本晶大は、失われてゆくものや忌避されるものなど、見過ごされた事物や場所との対話から創作を行なっています。
その表現手法は、建築物や映像表現を用いたインスタレーション、絵画や立体作品など多岐に渡り、作家の眼差しはモチーフに刻まれた来歴と響き合い、私たちに「不在の静かな語り」を感じさせます。
第一展示室では、取り壊されて駐車場となった建物の痕跡をモチーフとした平面作品《Lost Landscapes》シリーズや、車に惹かれて死んだ猫などをモチーフとした《The Road Remembers Their Bodies 》シリーズを展示しています。《Lost Landscapes》シリーズは道路の白線などに使用される反射塗料を用いて駐車場の区割りを描いており、晴れた日には窓から差し込む光によって線が浮かび上がります。ご来館の際は、ぜひ様々な角度からご鑑賞ください。(写真では浮かび上がった白線がうまく写りませんでした、ぜひ実際にご覧ください!)
日常の景色は変化していくものですが、よく通う道であってもぽっかりと空いた敷地をみて、前に何が建てられていたのか思い出せないことがあります。皆さんの日常にも建物の痕跡があるのではないでしょうか。
表現方法は三者三様ですが、記憶や移ろいゆくものへの視点に重なりが感じられるのも面白いです。
会期中には、アーティストトークを9月27日(日)13時より開催いたします。出品作家3名が揃い、作品や卒業後の作家活動等、様々な話を聞くことができる貴重な機会です。
様々な分野で活躍する尾道市立大学の卒業生がどのような創作活動を行なっているのか、一堂にご覧いただける展覧会です。
涼しくなってきた一方で各地で天候が心配されますが、どうぞ足元にお気をつけてお越しください。
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Focus17-卒業生の現在-
会期 :9月5日(土)〜10月4日(日)
入館料無料
開館時間:10:00〜18:00
休館日 :水・木曜日(祝日開館)
会場 :尾道市立大学美術館
●アーティストトーク
9月27日(日)13:00〜
会場にて開催します。








