「教員展」デザイン教員の作品をご紹介!

 こんにちは!

 「教員展」展示作品のご紹介もいよいよラストになりました。今回はデザイン教員6名の作品ついて、引き続きスタッフTがお伝えいたします!これまでと比べて人数が多いので長くなりますが、最後までご覧いただけますと幸いです。


■野崎先生

GIORGIO-The portrait of a man manipulating clouds in the metaphysical landscape

ジョルジョ-形而上学的風景の中で雲を操る男の肖像〉  

 野崎先生はイラストレーション領域の先生で、可愛らしいキャラクターデザインの立体を展示しています。


 木で造られた人型の立体が、不思議な形の雲を持って立っています。木箱の背景には空が描かれ、黄色い建物があります。黄色い建物は写真だと平面的に見えますが、これも木の板でつくられていて、影の形は照明によって出ています。

「ジョルジョ」「形而上学的」と聞くと、形而上絵画で知られるイタリアの画家ジョルジョ・デ・キリコのことを思い浮かべます。そう思って見ると人物の形や背景の建物もキリコの絵画に近い印象を受けました。


 フォルムが何とも可愛らしく、にっこりと笑顔で楽しそうに雲を操っていますね。

 「雲を操る」という非現実的な場面とそら豆のような形の雲が面白いです。私にはそら豆に見えて仕方ないのですが、みなさんは何に見えますか?



■世永先生

The Pachira Mobiles-YThe Pachira Mobiles-R

 世永先生はグラフィックデザイン領域の先生で、今回はポスターを2点展示しています。

 今回の展示作品は、タイトルにあるようにパキラという観葉植物をモチーフにしたデザインのポスターでしょうか。

 シンプルな形で軽やかに画面構成されています。背景の鮮やかな色は生命力に溢れ、茶色い幹のような部分が観葉植物らしさをよく表しているなと感じます。印刷されている紙も表面に艶がありキラキラとして見えて綺麗です。 

 近くで見ると単純な色面だけでなく、モザイクのように細かい色の粒が集合している色面、グラデーションがかかっている部分など多彩なグラフィック表現が見てとれて素敵です。



■桜田先生

復活のニケ

 桜田先生は造形デザイン領域の先生で、鋳金の作品を制作しています。鋳金とは、金属を溶かし、型に流し入れて固まったものを研磨などして仕上げた金属工芸のことです。

 ニケと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、1863年にエーゲ海東北のサモトラケ島で発見された大理石彫刻「サモトラケのニケ」のことです。ニケとは有翼の勝利の女神とされ、「サモトラケのニケ」は頭部と両腕が欠損していることでも知られます。


 先生の作品にも金色の翼が生えています。近くで見ると細かい表情があって羽根の質感のようで美しいです。反り返った造形や下部の削れたようなテクスチャーからは、大きな風の流れを感じます。



■林先生

〈漆の器〉

 林先生はクラフトデザイン領域の先生で、今回は漆工芸の器を9点展示しています。

 漆で塗られた木製の器が並んでいます。全て同じ形に見えて1つ1つが手仕事で作られているため、形や漆の風合いも微妙な違いがあります。

 漆の上品な艶のある表情がとても美しく、丁寧な制作過程が想像できます。

 写真では伝わりづらいですが、黒い器を良く見ると赤い色が見えます。ただ真っ黒なだけでないのが魅力的です。



■黒田先生

光凪-Quiet Shine

 黒田先生は映像デザイン領域の先生で、20分のループ映像作品を展示しています。


 キラキラと波が揺れ、1隻の船が少しずつ進む様子を見ていると、穏やかな気持ちになりいつもより緩やかに時間の流れを感じます。

 たまに静止画かと思われる方もいるようですが、ゆっくりと場面が変化していて様々な時間帯や異なる画角の海が見られます。ぜひお時間の許す限り、ソファーに座りながらお楽しみください。



■小西先生

〈道〉〈世界

 小西先生は本学美術学科の油画コースの修了生で、現在はデザインコースの助手をされています本展では油画やペン画といった平面作品を展示しています。


 植物のようにも人のようにも見えるものの集合体で構成されています。幻想的で怪異な雰囲気に惹きつけられます。


 渡り廊下を歩く謎の生命体上司とその部下…?鳥…?

 ペン画は特に細かく描き込まれていてじっくり鑑賞したくなりますね。



 ここまで3回にわたり作品紹介をご覧いただきありがとうございました!

 「教員展」は4月23日(日)まで開催しております。

 写真とともにご紹介しましたが、どうしても画像では伝えきれない部分があり、もどかしい気持ちでいっぱいです。直接足を運んで、実際に作品を見ていただけたら嬉しいです。

 皆さまのお越しを心よりお待ちしております!




【開催中】

尾道市立大学 美術学科教員展「What's Up?/ 最近どう?」  

2023年 3月11日(土)〜 4月23日(日)

会場   MOU尾道市立大学美術館
開館時間 10:00 - 18:00
休館日  水・木曜日
入館無料

大学美術学科教員の制作・研究を紹介する展覧会です。


【次回】

尾道市立大学 大学院美術研究科「進級制作展

2023年 5月3日(水・祝)〜 6月4日(日)

会場   MOU尾道市立大学美術館
開館時間 10:00 - 18:00
休館日  水・木曜日(祝日開館)
入館無料

大学院で専門的に制作活動を行なっている、油画・デザインの2領域の大学院2年生が、院1年次の制作を発表。