こんにちは。
明日でゴールデンウィークが終わりますね。気温と日差しが夏の様相です。近所の猫が日向ぼっこでフカフカになっていて、とても愛らしいです。
当館は本日、明日、10:00〜18:00 開館しております。「素描展」は作品数が多く、かなりボリュームのある展示になっております。観光の休憩も兼ねて、ゆったりご覧いただけますと幸いです。
4/9(土)に「素描展」イベントとして座談会を行いました。その様子は後日YouTubeにアップ予定です。今回は本学教員の中村先生(日本画)、野崎先生(デザイン)、小野先生(油画)に加え、本展出品者で大学院2年生の近藤くん、村松くん、津島くんの3名をゲストに招きして開催しました。
「日本画」は今回の参加者が主に風景を描く方達だったため、普段のスケッチ方法や、常に絵を描く視点で風景を見ること、また魅力的なモチーフに出会う習慣などお話ししてくれました。先生はもちろん、学生の真摯な姿勢に感心したと同時に、私も見習わなければと反省しました。緻密で完成度の高い作品の裏には、説得力を持たせる多くの素描的取り組みがあります。
「油画」は19歳の時から記録し続けているノート(メモ帳)や日常で気になったスナップショット、言語の中でも「助数詞」に着目し、数え方と、言葉を取り除いたビジュアルとしての現象という2つの視点で制作した作品の試行錯誤段階(表やメモなど)について、収集する理由や影響を受けた素描的試みなどお話ししてくれました。
面白い散歩の仕方を教えてくれた本として赤瀬川原平の「超芸術トマソン」(当時メジャーリーグから獲得したトマソンは期待されていたが空振りしかせず「大型扇風機」と呼ばれたエピソードから、世の中の無用な存在とは芸術と考えた赤瀬川氏が、街中に残留している不思議なオブジェ(無用の長物)をトマソンと名付けた)のお話しや、
収集の影響として、作品自体(結果)ではなく作家の振る舞いやプロセスに注目して、「ジュニー・サヴィル」が人間の痛々しい傷口や、一般的ではない体型の人物写真収集から人間性の探求をしたことなどお話しをしてくれました。現在は動画なども見つつ、言語収集も行っているそうです。
「デザイン」は、立体作品を頭の中からどのように三次元にもってきて完成させるか、スナップショット撮影とカテゴリー分けから自分の興味の対象を明確にすることなど、制作工程や日頃の取り組みについてお話ししてくれました。また、作品に文字や文章を入れる影響として、アメリカの作家「ハワード・フィンスター」の作品中に宗教的言葉や文章を入れること、メキシコのレタブロ(奉納画、日本の「絵馬」のような絵+言葉で願い事を書いて奉納するもの)のことについても話していただきました。
本展では様々な「素描的なるもの」を展示しています。普段見る機会の少ない多様な素描群から、完成作品だけでは分からない作者の思考、作品の持つ別の可能性などの拡がりを感じていただけますと幸いです。
また、5/21(土)から本学大学院2年生による進級制作展「歩 あゆみ」を開催します。こちらもぜひお楽しみに。
皆様のお越しをお待ちしております。
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【開催中】
「はじまりのかたち−素描−」
開館時間 10:00 - 18:00
【次回】
尾道市立大学大学院美術研究科 進級制作展「歩 あゆみ」
開館時間 10:00 - 18:00
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