こんにちは。
まだまだ寒いですが、段々と春に向かい季節が変わっていくのを感じます。風の匂いや光の色でしょうか。春らしい何かを見つけた訳ではないですが、何だか桜が見たくなりました。今年もお花見は難しそうですが、尾道の桜は綺麗なので通勤路で見られるのが楽しみです。
さて本題ですが、現在「尾道市立大学美術学科 第18回卒業制作展・第16回修了制作展」を2月4日(金)〜2月13日(日)まで開催中です。今年の院2年生は10名、内3名は外部転入生だそうで、コロナ禍でコミュニケーションを十分に取ることが難しい中展示をしてくれました。
自身の展示が終わった人は他の人の作品展示を手伝ったり。
展示や照明で見え方が変化します。搬入と展示で2日間作業しましたが、会場全体の配置や作品レイアウトを変更して、短い期間で様々な見え方を検討してくれました。
大学院だけかもしれませんが、油画は展示も含め総合評価されるそうで、作業期間中何回か教員が展示確認しにご来館されました。その際にレイアウトなど話し合い、今の展示に着地したようです。
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では、展示作業で写っていなかった作品を少しだけご紹介します。
学生にお話しを聞けた作品はその時のことも交えつつ。。
辻井さん制作の「源氏物語絵巻 蓬生(よもぎゆ)」の現状模写もあります。
源氏一行が通りがかりに荒れ果てたお屋敷を見つけ、末摘花邸だと思い出して草についた露を払いながら屋敷へと向かう一場面。末摘花は赤鼻の醜女とされていますが、屋敷が荒れ果てても源氏を思い、長い間待ち続けた健気な女性ともされています。(だったはず、、)
院生時代、私も別場面ですが源氏の模写をしたためお話はもちろん、模写の描写も含め見応えのある作品でした。描くにあたり、所蔵している徳川美術館まで行き、本物を見ながら色合わせしたそうです。
実物は少し厚手の和紙にたっぷり絵具がのり、しっとりした質感の印象を受けます。模写では本美濃紙という薄い和紙に少量ずつ絵具を重ねていくことが多いと思いますが、実物から受けるその質感なども表現しており、しっかり観察して描かれたことが伝わってきました。自分の当時の制作を思い出しつつ、コロナ禍での絵具調達、色合わせなど、難しい状況でしっかり向き合って制作したことを感じて感心しました。
右の辻井さん作品は、スケッチ中に目が合った一瞬を描いたそうです。タイトルは〈盗めなかったかたち〉ですが、スケッチしきれなかったもの、という所から考えたそうです。
左の槇野さん作品はよく見ると蓮が描かれています。近年の作品は寒色(特に緑×茶色)で描かれる印象があっためお伺いしたところ、実はただの白ではなく緑味を含んだ色だそうです。
〈クランク博士の研究室〉は、当館一番奥の展示室全てが一つの作品です。
世界観と、耳を澄ませると聞こえる秒針の音が素敵です。
特にこの犬ちゃんに目を奪われてしまいました。つぶらな瞳がなんとも愛らしいです。
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尾道市立美術館では学部4年生の「卒業制作展」、当館では修士2年生の「修了制作展」をご覧いただけます。会期中無休ですので、ぜひお越しください。まん延防止期間中で難しい時期にはなりますが、ぜひ実際にご覧いただけますと幸いです。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
【開催中】
「尾道市立大学美術学科
第18回卒業制作展・第16回修了制作展」
2022年2月4日(金)〜 2月13日(日)
会場 MOU尾道市立大学美術館、尾道市立美術館
開館時間 MOU:10:00 - 18:00
開館時間 MOU:10:00 - 18:00
市美 : 9 :00 - 17:00(入館は16:30まで)
休館日 会期中無休
入館無料
大学での研究成果を発表。卒業生・修了生70余名の作品を展示します。
■ 会期中イベント
日時:2月13日(日)/13:30〜
定員:15名(要予約制)/TEL▶0848-20-7831
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