次回


尾道市立大学美術館は只今、展示替えの為休館しております。

次回展覧会のお知らせです。

赤木範陸展 
濡れ色の神秘 - ENKAUSTIK エンカウスティーク
2012日(土)- 23日(日)
開館時間10:00 - 18:00 入館料無料
休館日 火・水曜日


赤木範陸氏によるアーティスト・トーク
9月1日(土)14時〜 参加無料



 この展覧会は独自の技法で絵画制作を追求してきた赤木範陸の1990年代後半から現在に到るまでの作品を展示し、画家のこれまでの創作の軌跡を紹介するものです。
 赤木は大学では油画を専攻しますが、エンカウスティーク(蜜蝋)を用いた技法をメインに絵画制作を展開してきました。徹底した西欧古典絵画技法の研究と、約15年に渡る滞独経験が画家の現在の方向性に大きな影響を与えています。留学時代、赤木は、不要な要素を省き、簡潔な表現を志向する西欧現代美術の方法論にダイレクトに触れることになります。また、並行して西欧絵画技法史を検証し、その起源へと遡ることによって編み出したのが独自のエンカウスティーク技法です。下地を施さない麻布に滲みのような繊細なイリュージョンを生み出す赤木の絵画は、どこか余白や素材そのものの質を活かす日本の伝統的美意識に通じるものを感じさせます。
 赤木は過去と現在、東洋と西洋などいくつもの葛藤を固有の視点で消化するなか、絵画の要素を必要最小限まで切り落としていきましたが、具体的な対象物を画面の外に追い出しませんでした。画家の眼差しは身の回りのものたちに注がれます。光を乱反射する器物、独特の表情をもつ女性、アトリエの片隅に何気なく置かれたもの。移ろう日常の光や人物の表情を凍結し、永い命へと置き換えること。赤木は現実の似姿としての絵画を探求しながら、その視線はどこかここではない場所を捉えようとしているようです。









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