次回展覧会

尾道市立大学美術館は、12月25日(火)〜2013年1月3日(木)まで展示替え期間のため休館させて頂きます。

次回展覧会のお知らせです。


今日のいちまい
-木浦奈津子・柴田七美・炭田紗季による3人展-

2013日(金)〜27日(日)

開館時間10:00 - 18:00 
入館料無料
休館日 火・水曜日 (祝日開館)



■イベントのお知らせ■
ギャラリートーク 
27日()   14時〜  参加無料



ご来観お待ちしております。






MOU Interview

MOUINTERVIEW 
尾道市立大学デザイン作品展2012関連インタビュー
現在大学院1年生の水井さんと岸本さんへの取材のため久山田にある2人のアトリエを訪問しました。




















まずはデザイン院1年の水井 翔(みずい かける)さんにお話を伺いました。美術館の一番奥の小部屋で展示・上映している半立体アニメーション《fly a way》の制作者です。

水井さん(以下=みず
美術館スタッフ椙山(以下=すぎ

すぎ 学部の頃から含め、大学院での研究について教えてください。
みず 学部ではイラスト中心の手描きアニメーションをつくってきました。院では約100年あるアニメーションの歴史から、手描きだけではなく様々な作家の技法を試してみています。幅広い表現方法の中からより自分に合った表現が選択できるように実験的に制作しています。今は、宮沢賢治の物語を基にした1分程のアニメーションを色々な技法でつくっています。

すぎ アニメーションで描く内容に変化はありますか。
みず 自分が実際目にしたこと、体験したことを基にして制作するようになりました。学部の頃は背伸びしていたのですが、体験していないことはかけないですね。
 好きな作家/作品
 ・アレクサンドル・ペトロフ(ロシア) 油絵をつかったアニメーション
 ・マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット(オランダ) 《岸辺のふたり》
 ・オットマー・グットマン(スイス) 《ピングー》クレイアニメ
 ・伊藤有壱(日本) 《ニャッキ!》クレイ・手描き・CGを混合した手法のアニメーション

すぎ 今回の水井さんの《fly a way》もクレイ・手描き・CGをMIXした手法ですね。
  ★特に好きな作家を聞きました。
みず 手描きアニメーターの斎藤俊介さんと加藤隆さんです。斎藤さんはイラストの生きた表現が好きです。加藤さんは用いるイラストの枚数が3分間の映像で1500枚と多く、その上一枚一枚の絵の重みがすごいんです。

すぎ 今回の作品についてお聞きします。
みず 院に入り、いくつかの技法を試してみたいと思いました。一週間に一本ずつそれぞれコラージュ、クレイ、手描きと技法を限定して30秒程のアニメーションを制作しました。その中でクレイでつくった作品がとても気に入り続きもつくりたいと思いました。《fly a way》の前身となるものです。赤い風船から生まれたてんとう虫(天道虫)が天に向かって進んでいくノートの世界を描きました。パウル・クレーの《赤い風船》という絵からイメージが浮かび取り組んだ作品です。普段から絵画作品を目の前にすると、絵の中に物語を感じて平面の世界を動かしたいなと思うんです。
 半立体アニメーションはガラス板の上に粘土を盛り上げてつくっていくので一般的に平面的になりやすいんです。しかし、今回簡易暗室の中での制作過程でガラス板上の状態からそれをどの側面から観たら映像として面白いか考えつつ作業しました。あらゆる視点からモノをとらえることで、絵コンテや撮り方の幅が広がりました。粘土はアニメーション専用の色の棒の様な原色の粘土を使っていて、混色する時は手のひらの摩擦熱で色と色の粘土同士を練り合わせてつかっています。《fly a way》の制作期間は3ヶ月です。

すぎ てんとう虫が転がり落ちるシーンなど、物体としての存在感が観ている側にも伝わりました。表面的なものではなく生きているもの。小さな主役てんとう虫が冒険する姿がひたむきに前進していく力強い歩みを感じさせてくれます。色々な側面からの視点は5分間観ている側を飽きさせません。


すぎ 今回の展示について聞きます。
みず 作品と同じ空間に展示している制作に使われた道具や素材を観て、制作の雰囲気を感じて欲しいです。作品はクレイをブルーバックで撮影して手描きと合成しています。その際に背景の土台としてノート、グラフペーパー、ボード紙、ドライフラワー、銀紙など身近な素材を組み合わせて使っています。視覚的にきれいで質感の良い気になる素材をストックして使っています。

すぎ くしゃくしゃにしたクラフト紙が岩を、ノートの罫線が雨を、楽譜が波を連想させます。私は制作している行為から作品が生まれているという実感が含まれているのかなと思いました。
すぎ アトリエでの環境はどうですか。
みず 学部の頃は作品について人に意見を聞くことがあまりなかったのですが、最近は同じアトリエ内の先輩や同級生、先生方に途中経過を確認してもらったり意見を聞いたりしています。制作環境として大学は良い場所です。
 

すぎ ありがとうございました!
























次は、デザイン院1年生の岸本侑子(きしもと ゆきこ)さんにお話を伺います。作品名は《パパッとカンタン料理マガジン パパッとCOOK》です。立体作品を つくる→撮影する→編集する までを含めた一連の作品です。

岸本さん(以下=きし

すぎ 学部の頃と大学院での研究について教えてください。
きし 学部の頃から粘土で造形して立体作品をつくっていました。ただ大きい作品を制作したくて「質より量」という感じでした。ある時、立体作品をポートフォリオにまとめて紙面上で見た時に、グラフィックの中での表現に興味が湧いてきました。院では立体造形→撮影→平面で表現するという3段階の過程を研究しています。立体作品は必要最小限の形で表情や動きの面白さを出そうとしています。積み木のようなシンプルさを思い描いています。

すぎ 粘土という素材に興味を持ったのはいつですか。
きし 小さい頃から《ウォレスとグルミット》が好きでよく観ていました。粘土でものをつくるのが好きで、小1から毎年玄関に飾る干支の置物を紙粘土で作っています。祖父が大工なのも影響があったと思います。

すぎ 今回の作品についてお聞きします。
きし 「キューピー3分クッキング」の月刊誌があって、その表紙のペーパークラフト作品が昔から好きだったんです。月刊誌にしたら同じテーマでつくることが出来ると思い、興味のある料理をテーマに料理マガジン《パパッとCOOK》を制作しました。まずは前期課題として4ヶ月分つくることにしました。8月→10月→12月→4月の順番で制作を進めていき、ひと月完成する毎に撮影し、画像編集・文字入れをして完了といった具合です。ひと月の制作期間は約3週間です。残り8ヶ月分は後期課題として制作に取り掛かっています。
 作品は構想からイメージを絵に描き起こして粘土で組み立ていくのですが、手で粘土を成形している間に新しいイメージが浮かんだり変化したりします。粘土は石粉粘土を使っています。形作った上にアクリルガッシュで上塗りし、つやを出したい箇所にはニスを塗布しています。人形の中心はつまようじで、土台への支えはボンドかアルミ棒を使っています。食材は実物や実物の画像を見て作ります。つくっている瞬間はとても楽しいです。作品撮影は野崎先生の部屋のスタジオで撮っています。

すぎ 尊敬する作家について聞きました。
きし やなせたかしさんはキャラクター数の多さとキャラクターの愛らしさが好きです。五味太郎さんは色合いと小さい子どもから大人まで世代を問わず楽しめる絵本が大好きです。そして、今年度から尾道市立大学デザインコースに来られた野崎先生は立体物を紙媒体に置き換えるという点でビンゴ!な先生だと思って尊敬しています。

すぎ 《パパッとカンタン料理マガジン パパッとCOOK》のキャラクターについて教えてください。
きし 主役の「ポーくん」は食べることと、料理を作ることが好きで明るい性格です。仲間の「キャロ吉」は自由奔放で盗み食いをよくします。「ピヨたま」は実はクールで冷静なタイプで卵とひよこを組み合わせたキャラクターです。主役とその仲間たち3体はすべて食材で出来ています。
すぎ この中でも私のお気に入りはたこウィンナーみたいな「キャロ吉」です!

すぎ 料理はよく作るんですか。
きし 土日は料理しています。親に美味しいと言われます。お菓子作りも好きです。

すぎ アトリエでの環境はどうですか。
きし 家で一人でやるよりも休憩時間に同室の先輩方や同級生と話すことで、気分転換になり制作に励むことができます。また、いつも熱心に制作している水井君をみると私のモチベーションも上がります。


すぎ 今回の展示について教えてください。
きし 立体物と紙媒体の表紙の違いに注目して観てほしいです。この立体の世界を撮影すると平面の世界にどのように置き換わるのかといった面白さを楽しんでほしいです。展示は一目見た時に印象に残るように、観る人の目線やタイトル文字などのバランスと配色にこだわりました。この展示が決まってから作品に関する様々な小物をつくって準備しました。





すぎ ありがとうございました!




今回アトリエにてお2人に制作についてのお話を聞き、作品からも感じられるつくる楽しさが伝わってきました。意欲的に制作に取り組んでいる姿が素敵です。インタビューありがとうございました。

インタビュー・写真・イラスト=椙山(MOUスタッフ)


 






 

12月2日 ギャラリートーク

12月2日(日) 尾道市立大学デザイン作品展のギャラリートークが行われました。
この日は、デザインコースを中心にした学生や、展示作品に関わってくださった地域の方が集まってくださいました。


デザイン作品展では、学校のカリキュラムで制作されたものの中でも、地域との関わりの深いものが展示されています。
各自パネルを制作し、作品のコンセプトや工程を丁寧に説明していました。
皆さん、今日のギャラリートークのためにノートにしっかりとまとめてきています。







また、課外活動での学生たちの活動も紹介しています。
大きなイベントでは、各自が担当した企画を紹介。プロジェクトを一つに纏めていくのは大変ですね。





こちらの3人は展示中の作品と同じTシャツを着て作品紹介。現場の雰囲気が感じられてよいですね!


映像作品秘話も聞くことができました。
エントランスでの上映作品は、全7作品でたっぷり1時間くらいあります。お時間ある時にゆっくり見に来てください。


今回は院生が不在だったので、また改めて話を聞いてみたいと思います。

みなさんお疲れさまでした。



Wi-Fi 使えるようになりました。

本日より尾道市のWi-Fiフリースポットになりました。

尾道市では、地域の賑わい創出のため、主要な公共施設におきまして、Wi-Fiフリースポット(公衆無線LANアクセスポイント)の整備を推進しています。
 Wi-Fiフリースポットでは、お手持ちの無線LAN機能(Wi-Fi)を搭載したスマートフォン、タブレット端末、パソコン等の機器を使って、無料でインターネットに接続することができます。

ぜひ、ご活用下さい。 
詳しくは尾道市のホームページでどうぞ。



29日 デザイン作品展 展示作業

明日より、デザイン作品展2012がはじまります。
昨日は出品学生総出で展示作業が行われました。






学校の課題から課外活動まで、学生たちの取り組みをご覧下さい。

展覧会は明日12月1日からです。
また、出品者によるギャラリートークを12月2日(日)14時から開催致します。





次回の展覧会

尾道市立大学美術館は展示替え期間中のため休館しております。

次回の展覧会のお知らせです。



尾道市立大学デザイン作品展

201212日(土)〜1224日(月)

開館時間10:00 - 18:00 
入館料無料
休館日 火・水曜日 (祝日開館)



■イベントのお知らせ■
ギャラリートーク 
122日()   14時〜  参加無料




11月18日 ギャラリートーク

11月18日、揺籃展のギャラリートークが行われました。
この日も尾道市内では大きなイベントがあったので久保エリアは少し寂しかったのですが、午後にはたくさんの方に集まって頂きました。

今回は、3回に分かれたギャラリートークの3回目になります。メンバーは、山梨千果子(1期生)、木村有里(2期生)、花本和之(3期生)、杜下遥(3期生)、中嶋美穂子(5期生)、藤本裕子(6期生)、松本香菜子(6期生)です。
中嶋さんの小説や音楽から制作がはじまる話しなど、作者と作品との関係を少し覗くことのできた機会になりました。






逆光ですね…。


揺籃展はこの三連休までとなっております。

揺籃展
-尾道市立大学大学院 日本画修了生による作品展-  
2012113日(土)〜1125日(日)

開館時間10:00 - 18:00 入館料無料
休館日 火・水曜日




11月17日 ワークショップ

11月17日(土)、ワークショップ「貝合わせを作ろう」が行われました。

あいにくの雨の中ですが、たくさんの方に参加して頂きました。
今回の講師は、5期日本画修了生の中嶋さんです。彼女は開催中の揺籃展でも蛤を使った作品を展示しています。


「貝合わせ」は、貝を題材にした歌を詠んで優劣を競ったり神経衰弱に似たゲームをする、平安時代から伝わる遊びです。左右一対の蛤には源氏物語等の絵が描かれていました。
今回のワークショップでは一対の蛤に自由な作品を仕上げていきます。


中嶋さんが予め、蛤の表面に胡粉という日本画で使われる白色の絵の具を下地として塗っています。この胡粉も元々は牡蠣の貝殻なのです。
その下地済みの蛤に、下書きをしていきます。湾曲した画面を想像しながら図案を考えます。どんな向きにしましょうか。



絵の具の準備をしていよいよ蛤に色をつけていきます。





小さな画面でとても細かい作業だったのですが、皆さん本当に丁寧に描かれていました。






貝をひらいた時の絵の見え方が、人それぞれ違っていて遊び心満載の作品が出来ました。
貝合わせにクリスマスのモチーフなんて素敵ですね!


皆さん、是非ご家庭に飾ってくださいね。
お足下の悪い中、ありがとうございました。


今日はこのあと14時よりギャラリートークが開催されます。
ご来観お待ちしております。

ギャラリートーク 
1118日(日) 14時〜 
ギャラリートーク トーク予定者
山梨 千果子 (1期生)  木村 有里  (2期生)
花本 和之  (3期生)  杜下 遥   (3期生)
中嶋 美穂子 (5期生)  藤本 裕子  (6期生)
松本 香菜子 (6期生)





11月3日、4日 ギャラリートーク

展覧会の初日と2日目、ギャラリートークが開催されました。
揺籃展は、尾道市立大学大学院日本画コースを修了した卒業生の展覧会です。第2回となる今回は、一期生から今年の春修了した6期生までの総勢21名の作品が並びます。
今展覧会では、ギャラリートークを3回に分けて開催し、いずれの日にも様々な年代の作者が来ているように配分しました。その1回目と2回目のギャラリートークが土日に行われ、たくさんのお客様に足を運んで頂きました。

3日(土)のトークメンバーは、山本恵子(1期生)、馳平容子(2期生)、今泉那奈子(3期生)、井上佳香(4期生)、大平繭(5期生)、菊永まゆみ(6期生)、仲間友恵(6期生)です。
ベッチャーの日だったので、みんな人が集まるか心配していましたが、市内をはじめ多数のお客様に集まって頂きました。









4日(日)のトークメンバーは、芦田竜太郎(1期生)、中政由香理(3期生)、正金夕佳(3期生)、黒田育代(4期生)、松岡奈津子(5期生)、勘如真未(6期生)、中島さやか(6期生)です。
この日は在学生に多く集まって頂きました。同じ日本画コースの卒業生と現役生、普段は話をする機会が無いので新鮮でした。





天気も良くお祭りとも重なっていたので、庭は子どもたちで賑やかな2日間になりました。


たくさんのご来観ありがとうございました。

3回目のギャラリートークは11月18日(日)となっております。皆様のご来観お待ちしております。

ギャラリートーク 
1118日(日) 14時〜 
ギャラリートーク トーク予定者
山梨 千果子 (1期生)  木村 有里  (2期生)
花本 和之  (3期生)  杜下 遥   (3期生)
中嶋 美穂子 (5期生)  藤本 裕子  (6期生)
松本 香菜子 (6期生)


また、17日(土)にはワークショップも開催されます。
只今こちらの参加募集人数の残りが若干ございます。ご希望の方はお早めにお申し込みください。
ワークショップ 貝合わせをつくろう」
1117日(日) 14時〜 (2時間程度) 参加費 700円 定員10名程度 要予約
平安時代から伝わる「貝合わせ」を、日本画材を使って制作します。
ワークショップ申し込み onoponga2@yahoo.co.jp

ONO-PONGAブログにて各作家の紹介をしています。