アーティスト・トーク

12月26日に開催のアーティストトークでは多くの人が参加してくれました。
皆さんが、アーティストの言葉から受ける不安や疑問点を好奇心へと変える時間になりました。

これこそが「アートの現場」なのかもしれません。

来年は、作品発表、アーティストトークやワークショップをもっともっと展開させたいです。

建築家の渡邉義孝から素敵なドキュメントが届きました。
時間をかいま見ることが出来ます。

渡邉義孝のホームページ
http://homepage3.nifty.com/w_yoshi/index.html

 メモ:渡邉義孝



小野環 アーティストトーク

 本日、小野環展 足下の辺境 のアーティストトークが開催されました。

 たくさんの方々のご参加、ありがとうございました。
 
 様々な方面の方に来て頂き、多彩な顔ぶれでした。











また来年、1月8日(土)には、ワークショップを開催致します。

まちの観察 〜緩やかに消失していくもの〜

美術館近隣でのフィールドワーク。「消失の兆し」の発見へ出かけます。

ご参加される場合、事前の予約が必要となりますので、MOUまでご連絡ください。

14:00〜16:30 参加費無料 定員15名 持参物 デジタルカメラ、ノート、筆記用具

足下の辺境 小野環展  12月24日

  

  それは、いつの間にか失われていた。 少し目をはなした隙に。 事はすでに起こってしまっていて、過ぎてしまった。 時間は流れている。 とりかえしはつかない。



  作者はある日、町を歩いていて、彼にとって印象的で気になる建築物に出会う。 しかし、それからしばらくして同じ場所を通ってみると、以前あったはずの建築物は消え失せ、かわりに素っ気なく新しい建物が建っていた。



  過去のことは忘れ去られ、新しいものはごく自然に受け入れられていく。 しかし、作者は、その出来事をすくいあげる。



  「 knifed sky1  」は、その時の風景が描かれている。中央にある建物のシルエットは現在のそれだが、そのシルエットに切りとられて見えているのが過去の建築物の断片だ。 先に過去の建物を描き、後から現在の風景でそれをふちどったのだ。

   この画面はいったい、過去なのか現在なのか。どちらが描かれていて、どちらが描かれていないのか。 それらは曖昧に混じり合い、見るものを惑わす。 




  作品に多く登場する「植木鉢」もそうだ。 本来、家のまわりに飾られる植木鉢は、私有地と公共の道とを仕切る「境界」だ。 だけど、そうであるはずの植木鉢が、道路にはみ出して置かれているのを、誰でも一度は目にしたことがあるだろう。 私たちはそれを気に留めない。 しかし、作者は違和感を覚える。 溶け合ってぼやけていく境界線。 どこまでが私有地で、どこまでがそうでないのか。 曖昧で判然としない。  そして提示された作品と対面して初めて、私たちは立ち尽くし、妙な感覚を持つ。 




  毎日事は起きている。 例えどんなに些細でとるにたりない事であろうと、それらは空気を震わせ、確実に起こっている。 そして、私たちはほとんどのそれらを見落とし、とりこぼして生活している。 しかし作者はそれを拾う。 それを近くで見つめてみたり、遠くから眺めてみたりしながら、そのことを丁寧に咀嚼する。 そうして飲み込まれたものは、作者の手によって感覚的につくられていく。 



  私たちはそれを受け取るとき、少しの戸惑いと、大きな興味を抱く。  描かれたモチーフ自体は日常であるはずなのに、作者を介する事で、それらはまったく出会ったことのない、異質なものとしてそこにあるからだ。 ピントが合っているようで、実はまったくずれているような、辻褄が合っているようで、まるでそうではないような、つかみどころのない、奇妙な世界が、今ここに広がっている。









                                               尾道白樺美術館スタッフ

小 野 環 展  足 下 の 辺 境

 みなさま、MOUの新しい企画展が、いよいよスタート致しました。

 
 小野 環 展  足 下 の 辺 境 幕開けです。


 今回、展示室に見たことのないモノリスが立ち上がりました。

 
 「正面」と対面です。

 
 当美術館へよくお越しの方も、そうでない方も、一度は必ずそこで立ち止まるはず。


 足を止めて心の準備を。


 さあ、その壁の向こうへ。



 
 



 小 野 環 展  足 下 の 辺 境 
 開 催 日 2010年12月19(日) 〜 2011年1月16日(日)
 開館時間 10:00 〜 18:00 入館無料
 休 館 日 2010年12月21日(火) 22日(水) 31日(金)
     2011年1月1日(土) 2日(日) 3日(月) 11日(火) 12日(水)


 アーティストトーク
 2010年12月26日(日) 14:00 〜 15:00 参加費無料 予約不要
 作家 小 野 環 が自作をめぐって話をします。

 ワークショップ まちの観察 〜 緩やかに消失していくもの 〜
 2011年1月8日(土) 14:00 〜 16:30 参加費無料 定員 15名 要予約
 美術館近辺でのフィールドワーク。スケッチ、写真などで「消失の兆し」を記録する。
 美術館内でそれぞれが発見した状況を報告し、ディスカッションを行う。
 ▷持参物 デジタルカメラ、ノート、筆記用具

 同時開催
 「キツネ作戦」 映像作品を中心とした展覧会
 会 場  光明寺會舘  AIR CAFÉ
 開 館 日 2010年12月19日(日) 25(土) 26(日) 27(月) 28(火) 29(水) 30(木)
      2011年1月8日(土) 9日(日) 15日(土) 16日(日)
 開館時間 10:00 〜 18:00 入場無料
 

In focus 最終日

 『In Focus』の最終日です。

会期中、たくさんの方にお越しいただきました。ありがとうございます。




 11/28 佐藤 隼によるワークショップ 尾道の風景に虹を架ける



 今回の企画展では、尾道大学美術学科を卒業・修了し、現在も制作活動を意欲的に継続している3人の作家の作品をご紹介しました。

美術学科を出た後の活動の一端をみなさんに知って頂ける良い機会になったのではないかと思います。

特に、尾道大学美術学科の学生にとって何かしらのきっかけになっていればと思います。



卒業・修了後も制作活動を続けている作家たちの姿は、学生の目にはどのように映ったのでしょうか。

彼らは『作家』であり、直接本人たちを知らなくても、尾道大学で美術に触れたという共通点を持っています。

そういう人たちの作品が見れて、生の声が聞けたのは絶好のチャンスでした。
 


同じ場所、尾道大学という同じフィルターを通過していったたくさんの人たちのその中の

制作を続けている人たち。

誰でも知っている作家でもなければ、全く接点がない作家というのでもない、リアルな人たち。

大学での日々の制作に、刺激を与えられた展示だったと思います。



 佐藤 隼によるワークショップの様子