尾道デザイン作品展 ギャラリートーク

本日、10月17日(日)「尾道デザイン作品展」のギャラリートークが開催されました。
尾道大学のデザインコースの学生を中心にたくさんの方に参加して頂きました。





今年は雨天のため10月30日(土)に延期となった「灯りまつり」には、
尾道大学の有志で結成されたグループも参加しています。
「尾道大学ひかりアート研究会」と「西郷寺七福神石彫グループ」です。


灯りまつりの開催場所は全部で26会場あり、
そのうち尾道大学ひかりアート研究会が担当しているのは、
持光寺、海福寺、光明寺、宝土寺、西國寺、JR尾道駅前ベル・ポール広場、
しまなみ交流館前、ゆとりの広場、商業会議所記念館、向島兼吉地区の10会場、
そして、七福神石彫グループは西郷寺を担当しています。


そのうち、光明寺の会場では、灯りまつりに併せてデザインコース2年の山本くんが
独自の作品を展開しています。
光明寺の境内にある、光明寺会館のとなりのちょっとした空き地にその作品はあります。


9日、本場の「灯りまつり」は延期されましたが、山本くんの展示はその日に決行されました。

作品には電気を使っているようで、雨の降っている時から山本くんはひとり、
地中に埋まった電気の配線コードの防水対策に必死に励み、
その甲斐あって、雨のあがった夕方、作品には灯りがともりました。

今まで夜に脚光を浴びることのなかった「幡龍の松」はライトアップされ、
地面に埋まった灯りはいろいろなものの形を借りて地上を照らしていました。
この展示をしている空き地について、
「言ってみればここは”家のお墓”ですからね」と、山本くん。


土地の記憶・物の記憶
 23日(土)は夕方から点灯しています。
 その他、土日を中心に灯りをともします。
 会場は、光明寺の山門をくぐって一つ目の階段を上がり、さらに左手に階段をあがると見えてきます。


たまに、ひとりで作品のメンテナンス作業を頑張っている山本くんの姿を見かけます。
屋外の作品は管理が簡単ではないようです。
そんな山本くんの作品も灯りまつりと併せてお楽しみ頂ければと思います。


                                   白樺スタッフ

尾道デザイン作品展




 案外、尾道は、尾大生のデザインで彩られてるんだなあ。 

 今回の展示を見てまず思ったこと。 もちろん、不意に街の中で出会う、灯りまつりのポスターデザインが学生の手によるものであったり、何気なく手に取った「広報おのみち」の表紙もまた、そうであることを知らなかったわけではない。
 
でも、そんな風に出くわすことなく、知らないところで世に出ている作品たちも数多くあり、しかも、そのどれもが、実際に商品化されていたり、街のなかに設置されていたりと、「尾道」でしっかり活躍しているのだ。 JA三原から販売されているレモン飲料やゼリー、尾道造酢から出ている酢飲料、和菓子「山本屋」の商品等のパッケージデザイン。グリーンヒルホテル、東尾道彫刻公園のロゴデザイン。因島重井町のPRポスター。尾道市役所の封筒のデザイン。 今回の展覧会で出会う作品たちは、「尾道」を題材につくられ、そして、地域の人々のために活用されている。
  
 展示会場では、その実物の作品と一緒にコンセプトボードが展示してある。それらに目を通しながら作品を見ていくと、共通して気付くことがあった。それは、どれも誰かのためにつくられている、ということだ。 デザインなんだから当たり前のことじゃないか、と言われるかもしれないけれど。 作品の向こうにはいつも「誰か」が見える。 その「誰か」に、こう感じ取ってほしい、という想いがつまっている、そんな作品ばかりだ。 そして、それを伝えるために、どの作者も少なくない時間を割いて、しかるべき手順を踏んで丁寧に仕事を進めたことが読み取れる。 「デザイン」っていう響きって漠然と、(勝手に)デジタルとかスタイリッシュとか、なんだかクールなイメージだったけれど、その制作過程を知るとそんなことはなくて、作者の「誰か」に伝えるための試行錯誤の熱は無視できない。 
 見所は他にもある。今回の展示にはいろいろな表現方法を用いた作品があって、単純に飽きない。 粘土細工のかわいらしい模型や、アニメーション、クレイアニメ、映像、実際市場で売られている商品(今回、美術館でも一部販売中!)、ギター等。
 それらは、「尾道」というテーマを与えられて、生き生きとしている。作者それぞれが、そのテーマへの回答を、それぞれのやり方で導き出す。それにしばられたりだとか、固執したりだとかせずに、各々、「尾道」というテーマを咀嚼し、なおかつ楽しんで制作しているように思う。
 [尾道」と[デザイン」、このふたつの関係は割にいいんじゃないだろうか。



                                白樺スタッフ