「教員展」デザイン教員の作品ご紹介

本日は「教員展」紹介3回目、最後となる今回は「デザイン」教員作品をご紹介します。是非、最後までご覧いただけますと幸いです。


■林先生

林先生は漆工芸やクラフトデザインという、工芸品デザインの分野の中でも手加工の度合いの強い分野を担当しています。


こんな器があれば、食事の時間はもちろん、どんな料理と組み合わせるかを考えたりと、家にこもりがちな日常を彩ってくれますね。



漆の艶と模様が合わさり、とても綺麗です。
漆は経年変化で色や表情が変わるらしく、そこも他の器と違う魅力がありますね。






■桜田先生

〈春の風〉

この作品は今の季節にピッタリですね。

桜田先生は鋳金・立体造形を担当しています。鋳金とは金属工芸の技術の一種で、溶けた金属を型へ流し込み、冷やして固まったものの表面を研磨するなどして仕上げます。




渦のような曲線的な模様が全体に広がっています。

その他にも〈飛翔〉、〈豪雨の爪痕〉の2作品も出展しております。下の画像は〈飛翔〉です。






豪雨の爪痕3/23(火)〜3/28(日)開催「第32回広島日展会展」出品のため一時展示しておりませんでいたが、現在戻ってきましたので当館でご覧いただけます。豪雨の被害を受けた尾道にある当館で観るからこそ、より意義のある作品だと感じます。

タイミングが合わず観られなかった方も、是非ご覧ください。






■世永先生

〈The image of countdown of watch 〉

世永先生はグラフィックデザイン領域の先生で、今回はポスター作品を展示しています。



シンプルでスッキリとしたデザインでありつつ、配置された曲線のリズムが素敵です。よく見ると黒の太い線が何本も繊維のように分かれており、すぼまったり広がったり、またその線が重なっている部分も見えます。ここの繊維のような線のキレが良く、若干光沢のある表情も綺麗です。






■伊藤先生

〈kikku ton〉

伊藤先生はグラフィックデザインの中でも暮らしに身近な商品のデザインを教えてくださる先生です。
「暮らしをユニークに、そして軽やかに彩る」というコンセプトで展開、一昨年から取り組んでいるデザインワーク〈kikku ton〉シリーズを出展しています。


この名前は、宮沢賢治の作品「雪渡り」の中で、子ぎつねが嬉しくて小躍りする時の表現として使われていた「キックキック トントン」というオノマトペから着想したシリーズだそうです。




壁には元のグラフィックが大きく印刷され展示されています。
これを商品に展開した例としてティッシュケース、マグカップ、ポストカードがありますが、同じ柄でもものによって印象が異なります。もちろん背景の色の違いもありますが、紙と陶器など質感や形状によって変化する表情が魅力的です。









■黒田先生

〈Waves Ensemble〉

黒田先生は映像領域の先生ですが、今回はいつもと異なるアプローチで作品を展開しています。




近寄ってみると不思議な画面の質感です。画像だと伝わらないのが残念です、、

写真というより絵画を観た感覚に近いですがどのように撮影し、印刷したのかとても気になります。また、モノトーンになっていることで視覚情報が通常の海を見た時より少なくなり、波の表情などが際立っている印象です。

他に、タイトルも吹奏楽でよく聞くEnsemble、Quartetなどが使われていますが、どんな理由でつけたのかも気になります。

黒田先生は本日4月24日(土)17時から開催する座談会「新しい日常と表現」にゲストスピーカーとして参加予定です。






■野崎先生

〈Monsters in the Attic/Rodney〉

野崎先生はイラストレーション領域の先生です。

デザインの中でもイラストレーションを主軸とした作品制作を教えてくださいます。

初めて見たときから可愛くて夢中になった子です。みんな素敵ですが、どんな感情か掴めない「ロドニー」がお気に入りです。扉を開けるとなんだかとんでもないイタズラをしそうです。




また、個人の感想でしかありませんが全体のフォルムバランスが非常に好みで、曲線のキュッとすぼまっているところから広がっていくところのリズムが素敵です。





ブログ用に近寄った作品写真を撮りましたが、寄ってみると細かい仕事が発見できて楽しいですし、木の質感や年輪の模様も面白いです。


「ロドニー」以外にもあと2作品ございます。




標本のようになっていて、下の文章部分の訳もございますのでこちらもぜひご覧ください。

また、野崎先生も座談会にゲストスピーカーとして参加予定です。実際にお話を聞ける機会となります。皆さまのご参加お待ちしております🙇‍♂️

15名定員の予約制ですが、枠はまだございますので是非お越しください。



ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

「尾道市立大学美術学科教員展 新しい日常−New Normal」は5月9日(日)まで開催しております。まだまだ感染症の影響で難しいところではございますが、ぜひ実際に作品をご覧いただけますと幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。



〈 現在開催中 
尾道市立大学美術学科教員展
     新しい日常 −New Normal

2021年 3月6日(土)〜 5月9日(日)
開館時間 10:00 - 18:00
休館日:水・木曜日 ※祝日開館
入館無料

本学美術学科の日本画・油画・デザイン各コースの教員および美術館スタッフの16名による制作・研究を紹介する展覧会。

【会期中イベント】
・座談会「新しい日常と表現」 4月24日(土)17:00〜 当館展示室にて
出展作家数名が「新しい日常と表現」について座談会形式で話し合います。