「感覚のかたち」ギャラリートークを開催しました −前編−

「感覚のかたち」ギャラリートークを10月5日(土)14時より開催いたしました。
の展覧会はデザインコース教員の企画展になっており、代表して野崎先生から「感覚のかたち」という展覧会タイトルについて説明してもらいました。









今回は出品者皆さんのギャラリートークについての記事ですので、長くなってしまいました。そのため前編、後編に分けてご紹介していこうと思います。
今回紹介するのは「野崎先生」「大野先生」「伊藤先生」「桜田先生」です。






まず1人目はイラストレーション領域の野崎先生から。

《CARNAVAL》についてのお話で、作品名はカルナバルと読みます。作品を見ることで、見る人それぞれの記憶を連想できるタイムマシンのような装置として制作したそうです。質問で、「作品のテイストに昭和っぽさともまた違う異国感があるが、繋がる昔の記憶はある?」という問いに対して、「これが全てとは言わないがアニメーションをよく見ていて、ディズニーとかのアニメーションが爆発的に出てきた時代だったのでそれかな?」とのことでした。《CARNAVAL》制作時に「メリーゴーランドワルツ」がヘビーローテーションで流れていたと聞きましたが、その時曲が浮かびませんでした…。後で気になって調べてみたところ、「メリーゴーランドワルツ」でヒットするものがなく、なんとか思いつくのでサティのジュ・トゥ・ヴーではないかと思ったのですが正解できていますか?















2人目はデザインコース助手の大野先生。
大野先生は尾道大学在学中、油絵を専攻していました。助手をされる方はそのコースの出身が多いため、かなり特殊なパターンだと思います。「感覚のかたち」というテーマが決まってから、もともと写真加工したものを写実的に描写していたため、感覚的な制作ではないと感じていたようです。しかし、大野先生は絵画を制作する前の写真加工の時点で感覚的であり、これまで鉛筆で描いたデッサン作品は手の感覚でかたちを作るという感覚としてあったと考えました。そしてその手の感覚でかたちを作る感覚を育てたい、進化させたいというところから作品作りが始まったそうです。そこからどのようにして《サーフェス諸島》に繋がっていったのかは、リチャード・ドーキンス『進化の存在証明』垂水雄二訳,早川書房.を読んでみると面白いかもしれません。











3人目はアドバタイジング領域の伊藤先生。
ちなみにアドバタイジングは主に広告デザインのことを指します。伊藤先生は「暮らしをユニークに、そして軽やかに彩る」というコンセプトのもと制作しており、今回は幼少期からずっと引っかかっていた宮沢賢治のオノマトペから着想を得て制作したのが《kikku ton》シリーズだそうです。引き続きこのシリーズを展開していきたいということで、「モチーフに鳥、魚、数字などあるが、今後モチーフ展開があれば教えて欲しい」という質問がありました。これに対して、「今回の数字は異質だが、いつも身近な動植物をモチーフにすることが多く、生活の邪魔にならないものを選ぶ。しかし、虫みたいにリアルにすると嫌悪感を感じる人の多いモチーフも、グラフィックにすると意外と見られたりする。」と答えていました。もしかして次回作は虫…とても楽しみですね。












4人目は立体造形領域の桜田先生。
今回は金工の作品と、3Dプリンターで制作した作品を展示しています。自分の得意な方法である金属で、実際の景色や日常で感じた感覚、目に見えないものをかたちにして表現した作品。そして3Dプリンターで制作した24個の作品。実は3Dプリンターの作品、本展覧会では24個展示していますが、桜田先生の頭の中では60個もあったそうです。3Dプリンターはデジタルデータを入力して形が出来ますが、冷たいイメージがあります。先生は作品に温かさを感じるものが好ましいと考えており、台座を木にしたり、フリーハンドで下書きを取り込んでその上から造形してみたりと様々な工夫をされていました。また、散歩や自然散策中に見つけた好きな風景やひび割れなど、作品にするために溜めているそうです。今回の金工の作品は特に尾道近郊に住んでいる方なら見たこと、経験したことがあるテーマが多いと思います。桜田先生の感覚で作られた作品と、自分の感覚とを照らし合わせてみながら鑑賞してみても面白いかもしれません。













次回の「感覚のかたち」ギャラリートーク −後編− は「黒田先生」「世永先生」「林先生」を紹介していきます。お楽しみに。












「感覚のかたち 
   ー尾道市立大学美術学科デザインコース教員展ー」  
2019年 9月14日(土)〜 10月22日(火・祝)
開館時間 10:00〜18:00
入館無料
休館日 水・木曜日

本学美術学科デザインコース教員が共通テーマ「感覚のかたち」をもとに制作した作品を通して、デザインの持つさまざまな「視点(まなざし)」を総合的に紹介する展覧会です。










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