「はじまりのかたちー素描ー」作品紹介


3月2日から開催している「はじまりのかたちー素描ー」展は、会期も残りわずかとなりました。
本展は学生の授業作品の中から「はじまりのかたち」に沿った作品を選出し、今回は特別編として教員の作品も展示しています。



こんにちは、美術館スタッフのMです。
私はこの素描展に鑑賞者として既に5回ほど足を運んでいますが、来るたびに新しい発見があります。何と言っても、毎回作品数の多さに圧倒されます。壁だけでなく、台や棚や映像機材、使えるものやスペースはとことん使って言葉通り充実した展示になっていることが、本展の最大の魅力ではないでしょうか。本日はそんな作品群の中から、私が気になったものをいくつか取り上げてご紹介致します。


まずは在学中の学生さんの作品をご紹介します。油画コースの授業のなかで制作された、針金を使った作品です。よくよく見ると「止水栓 Y .W .W」という文字が読めると思います。針金でつくることで文字がふわっと丸みを帯びているのがかわいらしく、ここまでちゃんと読めるように作ったのもあっぱれ!と思いました。「創味シャンタン」もありましたが、うまく写真を撮れなかったので、気になる方はぜひ自分の目で確かめてみてください。



2人目は、日本画コースの学生さんの作品です。スケッチブックからとても楽しそうなうさぎさんを見つけました。「HAHAHAHAHAHAHA」と書かれているのが何ともコミカルで、見ていて楽しい気分になります。周囲には技術的なメモがたくさん書かれていて勉強熱心な部分とうさぎさんの温度差が面白いです。他の絵を見てみると、素早く的確に捉えるのがとても上手な方で、動物や人物の繊細な表情が簡単なスケッチからでも伝わってきました。見応え十分なスケッチブックです。





3人目は、デザインコース教授の野崎先生の作品です。こちら、『人』のようなキャラクターが描かれています。水たまりか何かをぴょんっと飛び越えて、そのまま軽やかな足取りでどこかにいってしまいそうな『人』だと感じました。無表情でも頭の中では楽しい音楽がかかっていそうです。どうやら見ているこちら側には関心がなさそうですが……ちょっと後ろについて行ってみたい気がします。


4人目は、油画コース教授の小野先生の作品です。人の気配のない展示会場の模型や資料などの中に、ひっそりと楽しそうな人たちがいました。懐かしい歌が聞こえてきそう。ここだけ小さなユートピアのようです。これは展覧会の打ち合わせ中に描かれたらくがきでしょうか?緻密な作品の中に、ゆるっと描かれた人々がいることで、先生の遊び心が見えました。


最後に私、Mの作品を紹介させていただきたいと思います。この作品は私の素描の中でも一番のお気に入りです。特にまゆ毛がのびのび描けました。さて、突然ですがクイズです!!これは何をモチーフに描いたものでしょうか?ヒントは「おさんぽ」です。想像をふくらませてみてくださいね!


いかがだったでしょうか。今回、私の好みでご紹介させていただいた作品はほんの一部で、他にもたくさんの魅力あふれる素描が展示されています。
本展はゴールデンウィーク最終日の5月6日(月)まで開催しております。また、4月28日(日)には講師に菅原瑶子さんを迎え、「滲みからはじまる世界」と題したワークショップを行います。何度来ても楽しめる展示になっていると思いますので、初めての方はもちろん、一度来たという方もお時間があればまた当館へお越しくださいませ!



<展覧会概要>
「はじまりのかたち ー素描ー」  


2019年 3月2日(土)〜 5月6日(月・祝)

開館時間 10:00〜18:00
入館無料
休館日 水・木曜日(祝日開館)
※特別開館4月4日(木)

造形作家やデザイナーとして活躍する教員の素描を、学生の作品とあわせて広く展示します。また、石膏や写生デッサン、下図といった従来の素描展での展示内容に加え、準備段階のスケッチや構想メモ、アイディアノートや写真によるメモ、作業途中の修正指示をも幅広く「素描」としてとらえなおして提示します。

【会期中イベント】
◎ワークショップ「滲みからはじまる世界」
4月28日(日)14:00〜
講師:菅原瑶子
内容:滲んだ絵の具のかたちをはじまりとして、そこから見つかる世界を描きます。
参加費:500円
※ご予約・お問い合わせは当館まで(0848-20-7831)


クイズの答え:池









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