齊藤あいさん インタビュー  

5月26日、油画コース院1年生の齊藤あいさんにインタビューしたので、その様子を更新します。

Q  今回の展覧会「はじまりのかたち」ということですが、齊藤さんの中で素描/デッサン/ドローイングとはどんなものですか?

齊藤さん:準備運動です。

Q 今回展示されている雲のドローイングについて教えてください。

齊藤さん:あのドローイングは100号の油彩画のために描いたものです。モヤモヤしたのが描きたくて。自分の中でモヤモヤしたもの=雲というイメージだったので、とりあえずいっぱい描いてみました。毎日2、3枚のペースで、ちょうど梅雨の時期でした。

Q 油画コース選択の理由は?

齊藤さん:もっと油絵をしたかったから。あと、他の日本画やデザインに比べて、油画は思いついたらすぐに描けるところが魅力的だったので。

Q 最近ドローイングしたいものは?

齊藤さん:窓の反射とか、ネットの向こう側の景色。

Q 興味があることを教えてください。

齊藤さん:旅行がしたい。行き先は特に決めてないけど、とにかく遠くにいきたい。

Q どんな展示なら白樺美術館に行きたいと思いますか?

齊藤さん:今までの展示で言うと三井田先生の展示が印象的でした。

杉井将也くん インタビュー

5月25日、坂本さんのインタビューの後にもうひとり、日本画コース3年、杉井将也くんにもインタビューをしてきました。その模様もご紹介します。

Q:今回の展覧会『はじまりのかたち』ということですが、杉井くんの中で、素描/デッサン/ドローイングとはどんなものですか?

杉井君 :〈素描〉は絵じゃないです。〈素描〉と〈デッサン〉はイコールじゃないけどそれに近いもので、説明する、みたいなものです。〈ドローイング〉は自分の内面的なものを表現する、とか、いきなりイメージを出して色をつけていくみたいな。難しいというイメージがあります。ちなみに前、ニケを描いたんですけど、それは僕にとっては〈ドローイング〉でした。

Q:今回白樺美術館に展示してある、人体デッサンについて。

杉井君 : あれは、〈デッサン〉です。ひたすら手を動かして、感情を込めず、見たものをそのまま描きました。画面の中で構図を考えて、何も考えず、見たものを緻密に説明しました。

Q:日本画コースを選んだ理由は?

杉井君 : 僕はパソコンが無理なのでデザインコースは選びませんでした。油画は油絵具が乾きが遅いのがちょっと。日本画は高校の時からやっていたし、大学で新しい技術が学べると思ったので日本画コースにしました。それに模写が好きなんです。

Q:杉井君の趣味、興味のあることはなんですか?

杉井君 : 動物とか虫を眺めることです。水族館に行くのが好きで、過去に月10回くらい行ってた時があるくらいです。ジンベイザメとか好きですね。見てて、どうしてこんなに気持ちわるいのかって思って、描きたいと思うんですね。あと、かなり個人的な趣味ですが、音感ゲームが好きです。


Q:最後に白樺美術館についてですが、どのくらいの頻度で行きますか?

杉井君 : 年に2回くらい。

Q:かなり、少ないですね。杉井君なら、こういう展示なら行く、というのがあれば教えてください。

杉井君 : 教員展は行きたいです。ちょっと前に、なかた美術館でやってた、奥山先生の展覧会はすごくよかたです。教員の作品って普段みられないから興味はあります。
白樺美術館は、場所が少し分かりにくくて、前行った時は通り過ぎて見つけられなかったことがあります。看板があるといいなと思います。


杉井君のアトリエの制作スペースの写真です。この日の杉井君はニケを描いていました。

坂本実央さんのインタビュー


5月25日に出展者である、尾道大学デザインコース4年、坂本実央さんにインタビューをしてきました。
今回のインタビューで、坂本さんの人物像を少しですが知ることができました。
そのインタビューの内容をご紹介します。
白樺美術館に置いてある、スケッチブック/スクラップブックについて。
あれ、すごいですね。マメじゃなきゃできないですね。

坂本さん : ファイリングするのは好きです。整理してないと気が落ち着かなくて、家でも書類とかは分類別にしています。きれい好きなんです。
直感でやるのが苦手で、採寸して計算して、きちきちやるのが好きです。神経質だと思います。順を追って考えないとダメで、書いて落ち着くというか、頭で考えるだけじゃ落ち着かないんですね。とにかく手を動かす。それで、勢いでたまたま書いたやつが、後々資料の一部になったりします。スクラップブックは、『対自分』のためのもので、ネタ切れになったときに見るネタ帳です。アイディアって、そのときだけのものじゃなくて、いつでも使えて便利なものだと思うんです。


Q:今回の展覧会『はじまりのかたち』ということですが、坂本さんにとって、素描/デッサン/ドローイングとはどんなものですか?

坂本さん : 日頃自分がスケッチブックに、作品のために描くものが〈素描〉だと思っています。〈デッサン〉というと、それだけで作品っぽいというか、完成させなきゃとかって考えます。目の前のものをそのまま描くのが苦手で、石膏デッサンとか。そのものを、それっぽく描くのは得意なんですけど。デザインコースを選んだのもそういう理由がひとつあります。〈ドローイング〉は〈デッサン〉よりラフな感じですが、私の中で一番ラフ度が高いのが〈素描〉です。
      
Q:坂本さんの興味のあること、趣味など教えてください。」

坂本さん : 魚が好きです。食べることではなくて、見るのが好きです。収集癖があって、魚グッズとかよく集めます。果物に貼ってあるシールも好きです。あと、本の装丁、デザインが気になります。

Q:最後に、白樺美術館について。こういう企画、作家なら見に行きたい、というのがあれば教えてください。

坂本さん : 個人的な意見ですが、博物館的な要素のある展示は行ってみたいです。例えば、設計図、古い切手など、貴重なもの、同じテーマのものがたくさんあるといいなと思います。作家の横顔、作品の裏側がわかる展示は面白いと思います。今回の展示のように。絵画だけではなくて、体験型の展示もあったら行ってみたいです。体験型なら行ってみないと分からないですからね。小野先生の展示は興味があります。




インタビューの後に、坂本さんの制作デスクを見せてもらいました。
A3、A4など、サイズ別の型紙がカッターマットの下にありました。その大きさにすぐに切れるようにしている、とのことでした。坂本さんの、きれい好きな性格がよく分かる制作デスクでした。毎回、帰る前に整理して帰るそうです。

はじまりのかたち 

5月22日(土) - 6月13日(日) 休館日 火・水曜日(祝日開館) 10:00 - 18:00
常設室 小林和作
展示作者紹介 尾道大学美術学科 学部1年から大学院2年
作品展数 172




ごあいさつ

はじまりのかたち  素描/デッサン /ドローイング  

 素描(そびょう、フランス語でdessin()、ドローイングdrawing(英))は作者にとって表現のはじまりともいえる重要な役割を持つものです。それは、時としてより生々しく創作の現場感を伝えてくれます。

 一般的には素描というと事物を観察し、鉛筆や木炭で描くものという理解があるかも知れませんが、大学の教育・研究の中では素描をより幅の広い領域として捉え、実践しています。作者にとって表現の第一歩が素描とするならばその踏み出し方は各自が感応した世界によって異なるのです。今回出品されている素描の中にも樹根のデッサンのように対象の丹念な観察に基づく素描もあれば、動いている人体を素早く捉えたり、出会った風景の印象を描き出した、直感的でスピード感あふれる作品もあります。また、本画のための下図はもちろん、立体造形のための予備的スケッチやマケット、そこに含まれる試行のプロセスのも「はじまりのかたち」として、広義の「素描」と捉える事も可能でしょう。

 今回の「はじまりのかたち」では学生が普段の大学のカリキュラムの中で制作された多様な素描を展示します。これらの制作物を通じて学生個々の表現に対する取り組みを感じ取っていただければと思います。

尾道大学美術学科 教育・研究プロジェクト